『帰ってきたGJ.BEEのずっと俺のターン!』vol1
 
後輩(あほ)のオヤジが米沢一と
絶賛するラーメン屋
「吉野屋」(あの吉野屋ではない)
に行ってみた。

気にはなっていたが
いまだ踏み込んだ事のない
未踏のラーメン屋だ。

はやる気持ちを抑え車に乗り込む。

吉野屋が見えてきた。車も止っている。
「結構流行ってんなぁ」
と思いきや流行っていたのは
隣のラーメン屋「まつや」のほうだった…。

そう、ここはラーメン大国米沢でも珍しい
ならびラーメン屋なのだ。

この一見暴挙ともいえる立地条件で
切磋琢磨しあい、自然淘汰を乗り越えてきた
この両店。相当な実力者だということは
容易に想像できる。

これは期待できるぞ!

ハンドルを思いっきり左に切り
駐車スペースに頭から滑り込む。

ん?…のれんが出てねぇぞ。

おいおい休みかよっ!と
のれんに腕押しのような
つっこみ入れながらも
一応なかを覗く。

岡村孝子のラジオが
薄く流れる薄暗い店内。
厨房には人の良さそうな店主と、
カウンターには中年女性が
世間に背を向けるように
一人おごそかにラーメンをすすっていた。
風情があって好感を持った。

良かった営業してる。
入って左の洗面台の横には
出番を待つ赤いのれんが立てかけられていた。
っていうか、出さなくて良いのか?

テーブルにつき、男はやっぱチャーシュー麺だろう!
と利き手を振り上げる刹那。

店主「出前行ってくっから5分待ってて」
おれ「…わかりました、お気を付けて」

一人にもかかわらずデリバリーもこなすのか?
働き者の店主である。

中年女性はラーメンを食い終え
タバコを吹かし店主の帰りを待つ。
このまま帰るわけにもいかないしね!

店主が店を空けている間も
電話が3回鳴った。
デリバリーの電話なのだろう。
この店やっぱ人気あるんだ。
とさらに期待が高まる。

5分ほどで約束どおり店主が戻る。

いよいよ緊張の注文
「チャーシュー麺お願いします」
うなずく店主。
流れるようにラーメンが作られていく。
期待と空腹感は臨界点に達していた。

チーン。およそ二分で完成。
早っ。

いよいよ待ちに待ったご対面。

…すばらしい
黄金スープに咲く大輪のチャーシュー。
その姿は威厳すら漂わせていた。
俺の好きな香りだ〜!

震える手でGABANをふり、箸を割る。
いきなり麺からいってやる。
人目をはばからず大バキュームだ!
軽くむせる。

はぁぁ んめぇ〜!

続いて油と肉の見事な配合のチャーシューを
懲らしめる番だ。
ぷるぷるをバクっ

はぁぁぁ んんめぇ〜!!

60兆の細胞が一斉に眼を覚ます!

むさぼり喰った。

至福の5分。夢のようだった。
ガキの時分、オヤジと行ったラーメン屋を
思い起こすノスタルジックな味。
米沢ラーメンらしい米沢ラーメンだった。

店主の会心の一撃は
俺にとっての痛恨の一撃
ファンになりました。

まだの人行ってみて!
のれんが出ていなくても
あきらめないで
夢をあきらめないで…

吉野屋さん ご馳走様でした!